文化生活一週間 #34

今週のおぼえ帳

  • はじめての宝塚見物から半年
    • 宝塚歌劇花組公演『ファントム』/ 東京宝塚劇場(8月26日)

去年年末に急に宝塚を一度は見てみたいと思ったら、今年3月、星組の『ベルサイユのばら フェルゼンとマリー・アントワネット編』で早くも実現。戸板康二ゆかりの「ステファン人形」を見て、感無量であった。宝塚を見たいと思ったそもそもの動機は戸板康二であったから、なおのこと嬉しかった。あれからちょうど半年たって、今回の花組で5組全部を見ることができて、一周まわった恰好なのだった。宝塚はなんとたのしいことだろうと心から思う。しかし、たのしんでばかりいてはいけないという気もする。祭りは終わった。これで一区切りということで、9月からは歌舞伎に専念しよう(『元禄忠臣蔵』が待ち遠しい!)。……と言いたいところだけど、なるべく近いうちに宝塚大劇場に行きたいなア! というのが目下の懸案なのだった。

この半年間で見た宝塚でなぜだか一番愛着があるのは月組の『暁のローマ』。はじめてのフェルゼンとマリー・アントワネット編も忘れ難い。今回の『ファントム』は始まったまなしは、幻想的な歌声とうつくしい身体表現にワクワクしたものの、全体的にはあんまり乗れず、残念であった。『カルメン』の稽古のところで、いつのまにかファントムが混じっているあたりが好きだったりと部分的には結構たのしんでもいたけれど。

先週の越谷行きの際の浅草からの東武電車がそこはかとなくたのしかったので、今週も夏休み気分を味わうべく、ちょいと遠出することに。今週も浅草から東武電車、今回は快速(だったかな)なので、ボックス席でますます旅情が高まるのだった。小山清の作品に、吉原の女子と浅草から日光に出かける主人公の話があったことを思い出して、好い気分。いつか東武で日光に行きたいなあとも思う。

やっとのことで鹿沼にたどりつき、やっとのことで川上澄生美術館にたどりつく。永井龍男の『石版東京図絵』を思い出すひとときを満喫。自動車がないとたいへん不便という田舎ならではの感覚が新鮮でもあった。美術館から駅までがちょいと一苦労。

車窓から、田園でひとりカメラを抱えてたたずむ鉄道ファン、の姿が何度か見えた。彼等は何を待っていたのだろうか。せっかくなのでわたしも鉄道を満喫しようと思ったものの、すぐに飽きて、スヤスヤとなる。とりあえず「合戦場」という名の駅が味わい深かった、ような気がする。帰り、北千住から小菅へと戻り、電車を待ちつつ拘置所を眺めて、五反野で下車して四季書房に行った。ガラスケースのなかにかなり気になる本があり、めったに来ないお店なのでちょっとくらい高くても記念に買いたいと思ったものの、「笑点」に夢中の店主さんの邪魔をするのが忍びなく、あきらめて、スゴスゴと外に出た。夕刻の五反野はたいへん味わい深かった。