青山光二『吾妹子哀し』を読み、夜空の下、築地川公園へ散歩する。

朝の喫茶店で、青山光二『吾妹子哀し』(新潮文庫)を読む。新刊当時に一度読んでいたのだけれど、『食べない人』のあとで読み直してみると、以前と比較にならぬほど、グッとしみてくる。シンシンとひたすら読み続け、併録の『無限回廊』の途中で時間になる。

昼、お弁当もそこそこにコーヒーショップにかけこんで、『無限回廊』を読む。あともう少しというところで、時間になる。

頭のなかは青山光二一色のまま、日没をむかえる。マロニエ通りを歩いて、銀座を横断、京橋図書館へゆく。途中、松屋裏の奥村に足を踏み入れる。未所持だった、三月書房の初版の戸板康二『夜ふけのカルタ』を買う。

本を返して、また借りて、疲れたので、タリーズでコーヒーを飲む。青山光二『無限回廊』を読了。今日という日は、青山光二『吾妹子哀し』(新潮文庫)のためだけにある日であった。


吾妹子哀し (新潮文庫)


南桂子の装画がうつくしい薄い文庫本。もっとも好きな「恋愛小説」に確実に入る一冊。『食べない人』と合わせて、2006年の青山光二として、ずっと心にとめておこう。

先ほど返却したばかりの、大川渉『文士風狂録』(筑摩書房、2005年)に「相馬ビルアパート」から銀座へ出かける丹羽文雄、のくだりがあった。八木福次郎『書痴斎藤昌三と書物展望社』(平凡社、2006年)を読んだとき、書物展望社があった新富町の相馬ビルアパートには丹羽文雄のみならず広瀬千香も住んでいて、その跡地は現在日刊スポーツ新聞社、とあるのを見て、たいそう胸が躍り、とりあえず手帳にメモしていた。

…のを手帳で確認したところでタリーズを出て、ぐるっと日刊スポーツ新聞社脇の築地川公園までふらっと散歩。


あとはもう寝るだけというひととき、金田理恵『一九六〇年生まれ』(バジリコ、2006年)を読む。