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青山光二の『食べない人』で胸がいっぱいになる。

いつもよりさらに早起きをして、さらに早い時間に外出して、喫茶店で本を読む。青山光二『食べない人』(筑摩書房、2006年)を読み続ける。

食べない人

発売まなしのころ、東京堂の新刊台でこの本を初めてみたとき、「四季の味」の連載が1冊の本になったんだ! とタイトルを見ただけで、すぐにわかった。パッと手にとると、まずは、一見なんでもないような装幀がしみじみ見事だなあと(文字力!)、まっさきに装幀者を確認すると、金田理恵なので深く納得(装画は香月泰男)。「四季の味」の連載が本になるだけでも嬉しいのに、装幀も素敵で、よろこび2倍だった。いつか買うのは確実なのに、そのときに購入しなかったのは、いつものように「機が熟すまで待とう」と思ったから。と、待っていると本当に機が熟すから不思議だ。いま、このタイミングで青山光二の新刊、『食べない人』を繰ることになったのは、本当に幸福なことだった。

というふうに、メンメンと読み続けて、胸がいっぱいになる。昼もお弁当もそこそこにコーヒーショップで繰る。

帰りの10分足らずの地下鉄の車内で、第4章を途中まで読んで、今日は時間切れ。第4章の中途のところで、そうだ、『食べない人』の次は『吾妹子哀し』をじっくりと再読せねばならぬとメラメラと思う。春先に新潮文庫の新刊を買っておいてよかったと、よろこぶ。このところの、出版界の静かな青山光二ブーム(のようなもの)がうれしい。