小林信彦『〈超〉読書法』を繰り、『虚栄の市』第2巻を読み終える。

朝の喫茶店で、小林信彦『〈超〉読書法』(文春文庫)を繰る。昨夜文庫本棚を発掘していたら、あらかた古本屋に売ってしまったと思っていた小林信彦の文庫本がひょんと出て来た。ほんの気まぐれにひょいと繰ってみると、ちょうど開いたページで《秋声の長篇は若いころ全部読んだが退屈で、「仮装人物」のみ面白かった。》という一節に遭遇して、「おっ」だった。小林信彦(小説以外)は時間をおいて読み返すたびに必ず「おっ」という箇所に遭遇するから本当にあなどれない(と言いつつ、ほとんど処分してしまったのだけど…)。ひとまず脇によけておいて、明日の朝じっくり腰を据えて、その詳しいところを読もうと思った次第だった。というわけで、今朝予定通りに『〈超〉読書法』を繰ったのであったが、秋声に関することはそれ以上はなく、それでもやっぱり、小林信彦の文章は時間をおいて読み返すたびにいつも新しい。ひとたび繰ると、何度も読み返しているはずなのに、やっぱりランランとなってしまのだった。

と、小林信彦『〈超〉読書法』(文春文庫)をランランと繰っていると、極私的に追っている人物、今村繁三と今村信吉の名前が突如登場して、「えー!」と大興奮。《なにをかくそう、というほどのことでもないが、荷風はぼくの中学の先輩である。》云々といつものあの調子で始まる一文を読み進めてゆくと、荷風は神田区一ツ橋通町の高等師範学校附属学校尋常中等科の6回生で今村繁三と同期、今村信吉は同校の11回生で「この学校の新聞の縮刷版」とやらに一文を寄せているとのこと。うーむ、これは見逃せない事実であった。ので、とりあえず、手帳にメモ。

読書日記のおしまいあたりに、神吉拓郎の死に言及しているくだりがあって、しんみり。遺稿集の短篇集『花の頃には』(ネスコ/文藝春秋)を急に読みたくなる。ので、これも手帳にメモ。

そんなこんなしたあと、残りの時間、サッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』第2巻(岩波文庫)を読み進める。ところで、サッカレーといえば、小林信彦が卒業論文のテーマにしたとどこかで書いているのを読んだものだった(物語性云々と)。そのあたりの文章を読み返したいと思えども、もう部屋の本棚にはない。


昼、第2巻がもうすぐ読み終わりそうなので、続きを調達すべく、本屋へゆく。サッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』(岩波文庫)全4巻、このお店では依然、第1巻が売り切れたままである。第2巻も先日わたしが購入したので売り切れてしまった。第3巻と第4巻は無事に棚にあったけど、今日第3巻が売り切れてしまった。第4巻もこのお店で買おうと思う。


サッカリー/中島賢二訳『虚栄の市』第2巻(岩波文庫)、読了。