読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

神保町を通りかかり、竹中郁で思いがけなく近松を読み直す。

このところすっかり日が長くなった、もうすぐ夏至だなあと夕刻、テクテクと神保町を通りかかる。せっかくの神保町ではあるけれども、今日はどういうわけか、本を買うどころか本を見る気分にすらならない。早々に通り抜けるのみである。…と言いながらも、ふらりと通りがかりの古本屋に足を踏み入れる。入って早々、谷崎精二『葛西善蔵と広津和郎』(春秋社、1972年)が目に入り、ふと手に取る(800円)。目次を眺めたとたん、こ、これは今すぐにでも読みたいッと急に興奮。そのままレジに直行すべく一歩だけ歩を進めたところで、急に「何も今日買う必要はないな、後日にしよう」と、サ−ッと冷静になり、今日のところはそのまま棚に戻すことにする。さあ、早く帰って、就寝まで部屋で静かに本を読むとしようと、ソソクサと神保町を通過、しながらも、ふらりと足を踏み入れた岩波ブックセンターにて、今度はちくま文庫の新刊、大村彦次郎『文士のいる風景』が目にとまり、ガバッと手に取る。こ、これは今すぐにでも読みたいッと急に興奮するも、ほどなくしてサ−ッと冷静になり、またもや「何も今日買う必要はないな、後日にしよう」という気になる。今日のところは戸板康二の項のみ立ち読みして、棚に戻す。


そんなこんなで、あとはもう寝るだけという時間が今日はたっぷり。『デイヴィッド・コパフィールド』第2巻を一気に読了。再読第3巻は来週にしよう。


寝床で、昨日届いたばかりの、竹中郁『私のびっくり箱』(神戸新聞出版センター、昭和60年)を繰る。「杉原谷を行く」という一文で、杉原紙→心中天網島、という展開になり、急にいてもたってもいられず、スクッと起き上がり、本棚探索。岩波の大系は奥へ行ってしまっているので、すぐに出てくる廣末保『古典を読む 心中天網島』(岩波同時代ライブラリー)を取り出し、「太兵衛登場と悪口の芸」のところを拾い読みするつもりが、あちらこちらピンポイント式に読み返して、夢中になる。

杉原紙研究所:http://www.takacho.jp/sugiharagami/