シューマンを聴き、東京堂に寄り、暮しの手帖の料理本を眺める。

窓の外はいかにも天候不安定な気配で、朝っぱら気が滅入る。ギリギリの時間まで部屋にいることにする。アルゲリッチのディスクでシューマンの《子供の情景》と《クライスレリアーナ》を聴く。春先になるとシューマンを集中的に聴くのが年中行事だったけど、どういうわけか今年はちっともシューマンを聴いていなかったいということに気づいた。5月になったら《詩人の恋》を聴こうと思う。

空気が澄み渡った夕刻、丸の内カフェで小岩井のビンの牛乳を飲みながら、ふうっとひと休み。雑誌を二、三眺めたあと、えいっと外に出る。神保町に向かってテクテク歩く。東京堂に立ち寄る。新刊コーナーにて、加藤郁乎著『坐職の読むや』(みすず書房、2006年2月)が1冊だけささっているのを見つけて、こんな本が刊行されていたとは知らなんだと「おっ」と手に取ろうとしたまさにそのとき、金子さんに遭遇してびっくり。なんという奇遇であろうと、しばし立ち話。来月の歌舞伎はどうしたものでしょうというような話になり、「三津五郎の吃又がたーのーしーみー」と盛り上がっていたら、観覧日(来月の歌舞伎座の夜の部)が同じということが判明、席種まで同じ(3階B席)で、なんという奇遇であろうとふたたびびっくり。金子さんはいかにも金子さんという感じの本を手にしていて意気揚々とお会計をしていかれた(新読前読後 id:kanetaku で拝見できるかな、どうかな)。わたしだって、わたしだって来週になれば…と、いつまでも『坐職の読むや』を立ち読みしてウキウキ、そのあともあれこれ下見を続ける。今日のところは手ぶらで神保町をあとにする。来週になれば、わたしだって……。

夜、ダージリンにマッカラン12年を数滴入れて、いただきもののケーキを食べる。たまに食べるとケーキもおいしいものだなあとじっくりと味わう。

実家からの宅急便に入っていた、暮しの手帖社発行の『ロイヤルホテルの家庭料理』2冊を眺める。実家にいた頃からの愛読書だった。数年ぶりに眺めて、あらためてなんていい本なのだろう! と興奮。寝床でもいつまでも『ロイヤルホテルの家庭料理』を眺める。