フィルムセンターで『三文オペラ』を見る。

バタバタと支度をしてイソイソと外出、ふうっと喫茶店でコーヒーを飲む。岩波文庫の岩淵達治訳『三文オペラ』をパラパラと読み返し、あとのブレヒトによる覚書と訳者解説をじっくりと読み返す。まだ少し時間があったので、細切れ用に持ち歩いている神吉拓郎『男性諸君』を読む。神吉拓郎を読むといつも、「いつも心に神吉拓郎を」と思う(なんのこっちゃ)。それにしても、江國滋ともども、もっと長生きしてほしかったと思う。

日没後、鍛冶橋通りを歩いて、《ドイツ・オーストリア映画名作選》特集開催中のフィルムセンターへ。本日はパプスト監督の『三文オペラ』(1931年)なり。長年見たいと思いつつ機会を逸していたのを晴れて見ることができた。しかも岩淵達治訳の岩波文庫が出たばかりというタイミングでの上映となって、いうことなし。学生の頃に戻ったような感覚で映画を見るのはいつもとても嬉しい。カローラ・ネーヘルのポリーがすばらしかった。「バルバラ・ソング」がいつまでも頭のなかに流れているなか、ズンズンと夜道を歩いて家路につく。神保町にさしかかったところで、ばったり金子さんに遭遇。びっくりしたなあ、もう。

帰宅すると、トクマノベルス版の戸板康二『グリーン車の子供』が届いていた。長年の宿願の本がようやくわが手中に。中村雅楽シリーズがやっと全部揃ったのかな。ここまで長かったなあ。あれこれ用事を片づけてあとは寝るだけというとき(1日のなかでこの時間が一番好きだ)、ミルクティを飲みながら、明日のフィルムセンターに備えて、ケストナーの『エーミールと探偵たち』を読んだ。ずいぶんひさしぶりの再読。たまにケストナーを読み返す日が来るというのは、とても嬉しいことだなあと思う。