教文館でみすず書房を買う。

朝起きるとひんやりと涼しい。今日から長袖の部屋着に替えることにする。《コシ・ファン・トゥッテ》を途中まで聴いて、身支度の時間はルプーのディスクでシューベルトの即興曲集。

早々に家を出て、喫茶店で落ち着きなく次々と本を繰った。まずは昨日買ったばかりの「WHISKY VOICE」をじっくりと。しみじみと素敵な誌面で典型的、愛すべきリトル・マガジンという趣き。停酒中(といっても開始日は昨日)の身としては、こんな感じに品よくお酒に接したいものだなあと憧れるばかりなのだった。残った時間で「サンパン」を繰って、左端の細長い広告コーナーを見て、日本古書通信社発行の青木正美著『古書肆・弘文荘訪問記 反町茂雄の晩年』を今すぐにぜひとも読まねば! と今さらのようにメラメラと燃える。近日中にアクセスへ買いに行くとしよう。同じく左端の細長いスペースに、5月の地下室の古書展で荒川洋治さんのトークショウの報告のあと、当日のお話のことは今後の著作に反映、というようなことがちょろっと書いてあるのを見て、うーむ、やはりみすず書房の新刊を読みたいとフツフツと思うのだった。とかなんとか、起き抜け早々本を欲しがってばかりで、朝っぱらからくたびれた。

昼休みはお弁当もそこそこにスターバックスへ。昨日アクセスでいただいたリトルマガジン「文游」を繰り、これまた面白いなアとホクホク。

日没後は銀座で所用があったので、それまでの空き時間、丸の内カフェへ。今日は特に読みたい雑誌はなく、小岩井のビンの牛乳110円を飲みながら、鈴木地蔵さんの『市井作家列伝』を読み始める。初っぱなの木山捷平からしてさっそくとってもよくて、じんわりとひたる。うーむ、なぜもっと早く読んでいなかったのだろうと、あとがきを見てみると、昼休みに「文游」で面白いなあと思っていた「下北沢の三奇人」の書き手はこういう方であらせられたのかッ、とさらにじんわりと感激。いろいろとつながるのだなあ。

銀座での所用はちょうど9時に終了。教文館は10時まで。わーいと駆け込んで、『エドマンド・ウィルソン批評集』の2巻目「文学」を手に取る。無事に手にとって安心して勢いに乗って、同じくみすずの新刊、荒川洋治著『世に出ないことば』も一緒に手に取る。ついでに岩波文庫の『コンラッド短篇集』も買っておくことにする。ああ散財。レジで「銀座百点」10月号を入手。テクテクと歩いて京橋界隈にさしかかり、夜空の下でアサヒペンがまだ回っていた。いったい何時まで回っているのだろう。まさか1日中? アサヒペンで左折してお濠端に差し掛かると、白鳥が2羽プカプカ浮かんでいた。

寝床で『エドマンド・ウィルソン批評集』を繰って、いつまでもフツフツと嬉しい。ディケンズ論を読むのは『ピクウィック・クラブ』読了後にしよう。プーシキン論をまっさきに読む。ジャーナリストが書く文学論ならではの鋭さと明晰さが素敵で、十返肇の谷崎論のことをちょっと思い出した。ひょっとすると坪内祐三風味かも。それはさておき、買って嬉しい本だった。大切に少しずつ読んでいくとしよう。そして1巻目もいつか買おう。