庄野潤三の『クロッカスの花』を買う。

5時半起床。岩波の新大系『近松浄瑠璃集』を持参、朝の喫茶店でエスプレッソで目を覚ましてから、「女殺油地獄」熟読を開始。本文を読むのは3度目くらいだけどいつ読んでも冒頭の野崎参りの様子にワクワク、文楽で見るのは今度が初めて、実際の音はどんな感じになっているのだろうと思うとさらにワクワク。が、いざ当日になってみると見物が散漫になることが多いので、気をつけねば。集中して読むべく今日のところは上巻だけにしておく。まだ時間があったので庄野潤三の『文学交友録』を繰る。この本もいつ繰ってもそのたびにフツフツと嬉しい。

昼休みの本屋さんで「未来」と「ちくま」入手。ホクホクとスターバックスへ移動して眺める。一番たのしみな PR 誌は「ちくま」かも(あと岩波の「図書」も)。安野光雅による串田孫一追悼文がさっそくいい。なんとなく武蔵野散歩に繰り出したくなってきた。秋日和が待ち遠しい。串田孫一の追悼特集号がどこかの雑誌で出たら嬉しいけど、出るかな。刊行が延期になっていた平岡正明の桂枝雀論(『哲学的落語家!』)のことを野口武彦氏が書いている。発売は9月23日、図書館に予約せねば。ほかにも高橋英夫さんや高井有一氏など、早くも単行本化が待ち遠しい連載が続いて、今月は「ちくま」入手に成功してよかった、よかった。

朝のラジオではかなりの雨降りとのことだったけど、帰る頃は雨など降ってない。わーいと京橋図書館に向かってマロニエ通りを歩く。雨は降っていないがかなり蒸していて暑い。松屋裏の奥村にふらりと足を踏み入れた。なんとなく藤沢桓夫の本を探していたのだけど、庄野潤三の随筆集『クロッカスの花』が目にとまる。目次をチラリと見ただけで今すぐにこの本を読みたいという気になる。1000円だしとパッと購入を決意。前々から欲しかった田沼武能の写真付きの山口瞳『月曜日の朝』が目にとまる。1500円。うっと買ってしまいそうになるけど、ぐっとこらえる。その直後、週刊朝日編『続・値段の明治・大正・昭和風俗史』があるのを発見。これは前々から狙っていて何度も目にしていたけどそのたびに見送っていた本、全4冊のうち「続」に戸板康二が登場している。その「続」1冊だけが売っている。うむと値段をチェックすると、600円。やっと機が熟したらしいとホクホクと購入。京橋図書館に行くつもりが奥村でお腹がいっぱいになってしまった。教文館に寄って帰宅。教文館のみすず書房コーナーにて、アレントとハイデガーの往復書簡の全訳がつい2年前に刊行されていたことをようやく知った。一瞬買ってしまいそうになる自分に驚いた。

帰宅すると、五反田の古書展の目録が届いていたばかりでなく扶桑書房の目録まで届いている。なんということだ、なんということだと大急ぎで家事諸々を片付けて入浴も済ませて、ほうじ茶片手にゆるりと目録チェックを開始。扶桑書房に「冬夏」が3冊も売っている……。五反田の目録に関しても思案が必要だ。目録2冊ですっかりくたびれてしまい、いつのまにか寝てしまい、目を覚ますと1時だった。

「ラジオ深夜便」を流しながら、庄野潤三の『クロッカスの花』を繰る。ブーニンがチェーホフに「あなたはたくさん書きますか」と聞かれ「あまり書かない」と答えると、チェーホフは「働かなくちゃ、やっぱり。手を休めずに……。一生涯」と云ったのだという。チェーホフの言葉はいつも胸にしみるのだった。なんだかんだ言って、結局最後にぶちあたるのはいつもチェーホフなのだというようなことを思いつつ、今日のところは就寝。