川越の蚤の市

宵っ張りの早起きをして、ぼんやりしたまま、川越の蚤の市へ出かけた。いつもの癖でつい紙モノに目が入ってしまい、ふらふらっと買ったもの二、三。


 


左は山名文夫による表紙の、1951年11月の都民劇場定期講演のプログラム。去年12月にギンザグラフィックギャラリーで満喫した山名文夫展で初めて、都民劇場のプログラムのことを知って、クラシック音楽と山名文夫の組み合わせに喜んでいたものだった。どちらかというとここまで来た記念という気持ちの方が強かったのだけれど、帰宅後にページを繰ると、表紙だけではなくて、中のレイアウトや色づかいがおもしろくて思っていた以上にワクワク。展覧会場で表紙がずらっと並んでいるのを見たときも十分嬉しかったけれども、山名文夫はプログラムの中身では実はこんなことをしていたのかあとニンマリで、結果的には嬉しい買い物となった。クラシック音楽とデザイン、ということを思う稀有な機会。都民劇場の企画委員の、小宮豊隆、堀内敬三、近衛秀麿、牧定忠、野村光一、大田黒元雄といった顔ぶれも面白いなあと思った。

右は一緒に買った、昭和34年1月のN響のプログラム。こちらの表紙は安井曾太郎。NHK の福原信夫が曲目解説を執筆している。つい先日、「放送文化」のバックナンバーで戸板康二と福原信夫が対談しているのを見たばかりだったので、嬉しかった。今月のテーマは「放送80年」なのであった。


蚤の市のあと、通りがかりのウィンドウで偶然、小村雪岱の展示に遭遇したのも嬉しかった。「演芸画報」の表紙が並んでいるだけで圧巻。そんなこんなで、甘納豆を買って帰京。このところ極端に早起きなので、毎日朝は時間がたっぷり。甘納豆を口に放って、濃い宇治茶を飲もうかと思う。

100円の文庫本

  • 河盛好蔵『愛・自由・幸福』(新潮文庫、昭和34年)
  • あらえびす『名曲決定盤』上下(中公文庫、昭和56年)

このところ古本屋の100円コーナーを通りかかるたびに石川達三の絶版文庫を探しているのだけれども、佃煮にするくらい売っていると思っていたのにいざ探すとなかなかお目にかかれないという、よくある展開に。その合間に違う文庫本に手がのびるのもまたたのし、なのだった。