新宿のタワーレコード

今日もしばらく寝床でぬくぬくとウラッハのクラリネットを聴いたあと、張り切って早起き。母遠方より来訪(電車で30分)、大掃除を手伝ってもらう。二人で怒濤の勢いで掃除にいそしみ、万事抜かりなく終了。こんなに燃えるなんて。昼食後、新宿へ買い出しへ。母と解散後、ほんの軽い気持ちでタワーレコードをのぞいた。かつてはここがクラシックディスクの一番のお買い物スポットだった。が、生活圏に変化があったあとは、年に何度行くかというくらいになってしまった。ふだんよく行くレコード屋さんは銀座山野楽器。好きなお店ではあるけれども、クラシックはなんとなくタワーレコードほどは買い物しやすくなくて、自然と購入ディスクも減っていった。年に何枚買うかという程度になってしまった。そんななか、前にいつ来たかも覚えていないくらい久しぶりの新宿タワーレコード、ひとたび行ってみると……。ひさびさに燃えた。これを機に、来年はぜひとも音楽強化年間としたい。


お買い物メモ。全部輸入盤。

  • ベートーヴェン:交響曲第6番《田園》/カルロス・クライバー&バイエルン国立オーケストラ

クラシック売場に足を踏み入れてびっくり。いつのまにかクライバーの田園が正規発売されていたとは! 「2003年クラシック界最大の話題」というふうに書いてあった。さっそく視聴してみると、さっそくうっとり。ガバッと手にとった。実は、ベートーヴェンの交響曲のなかでは、ずっと《田園》に苦手意識を持っていたので、初心に返って聴き直してみたい。今年はやはりずっと苦手だったヴァイオリン協奏曲をムターの演奏で聴き惚れて、以来ずっとベートーヴェンモードだった。今年下半期、もっとも頻繁に聴いた作曲家だ。同じく視聴機に入っていた、クライバーの7番にも思いっきり聴き惚れた。おんなじディスク、部屋にあるのに、思わずずっと聴いてしまった。

  • モーツァルト:ピアノ協奏曲第20、23、24、26、27番/カーゾン

2枚組。同じく視聴機に入っていたディスク。カーゾンのモーツァルトはずっと前から気になっていた。なんとはなしに視聴して、K.466の第1楽章の序奏のあとでピアノが入るところを聴いて、すぐさま購入を決意。帰宅後、さっそく再生。今も部屋で流れている。ちょっと信じられないくらいきれいな音。

  • J・S・バッハ:平均律クラヴィーア曲集第1&2巻/リヒテル

4枚組で2590円。リヒテルの平均律も数年来の懸案。クラシックを聴き始めたまなしの頃にグールドを買ってずっとそれを聴き続けているけれども、数年前に渋谷の名曲喫茶ライオンで聴いたリヒテルの平均律第1巻が忘れられないものがあったのだった。と、そのことを思い出して「あっ」と手にとってみると、2590円は第1巻ではなくて2巻セットだと気づいて迷わず手中へ。リヒテルも強化したいピアニストのひとりだけれどもあまり追求できていないような気がする。

  • ハイドン:ピアノソナタ第19番、46番/ポゴレリチ

前にサイトにポゴレリチのスカルラッティのことを書いたときに、さる方にポゴレリチのハイドンをお薦めいただいて、さっそく山野楽器に出かけてみたら売ってなくて、タワーレコードに行かねばと思いつつ、年末の今日まで来てしまった。無事在庫があって、よかったよかった。

  • クルト・ザンデルリンク&ベルリン交響楽団(5枚組セット)foujita2003-12-30

これも今年の話題ディスクのような感じで面出しで陳列してあったので無事わたしにも見つけることができた。見逃さないで本当によかった。5枚組で3990円とお買得。2002年5月のラストコンサートを収録している。内田光子さんがモーツァルトの24番を弾いて、ブラームスの《ハイドンの主題による変奏曲》、シューマンの交響曲4番というプログラムのこの演奏会のことは、終了からまだ間がない頃、本屋で許光俊さんのタイトルは忘れてしまったけれども黄色い本をなんとはなしに立ち読みして知ったのだった。その文章がえらく感動的で何度も読み返した。とは言うものの、吝嗇なわたくしのこと、立ち読みだけで済ませて、帰宅後、同じプログラムで手持ちのディスクを流してみたり、なんていうことをしたりした。ザンデルリンクのことを知った時期ははっきり覚えている、1995年の夏だ。クラシックを聴くようになって1年くらいの当時は今よりもずっと音楽聴きに熱心で、レコ芸も毎月買っていた(今は立ち読みすらしていない)。そのレコ芸で特選盤になっていたブラームスの交響曲全集を、渋谷のタワーレコードで輸入盤が入荷してパッと買ったのだった。クラシックを聴くようになったのはブラームスがきっかけだったし、今も昔もブラームスはもっとも思い入れの強い作曲家。そのザンデルリンクのブラームスの交響曲全集は以来、もっとも愛聴しているディスクのひとつ。ブラームスからしばらくして、内田光子さんのベートーヴェンのピアノ協奏曲が発売になった。ここでもザンデルリンクの指揮が素晴らしかった。独奏者との幸福な組み合わせ。以後、内田光子さんを媒介にますますザンデルリンクの名前をくっきりと心に刻むことになったのだった。それから、ある日FMで聴いたショスタコーヴィチも素晴らしかった(10番と15番)。次の日、さっそく買いに行った。……とかなんとか、急に回顧モードになってしまった。ザンデルリンクのラストコンサート、聴くのがちょっと怖いけれども、これから姿勢をただして聴こうというところ。これが2003年の音楽の締めとなり、2004年はわたしにとってはクラシック聴き10周年となる。


映画メモ

  • 倉田文人『ノンちゃん雲に乗る』/ラピュタ阿佐ヶ谷《原節子スペシャル》*1

昨日の午前中は阿佐ヶ谷まで足を延ばして、映画館。今年の映画の締めは、徳川夢声出演映画、わたしにとっては夢声元年の今年の締めにぴったりの映画。原節子のお母さんがとてもよかった。原作をほぼ忠実に再現しているのを目の当たりにしてメラメラと刺激され、昨夜さっそく石井桃子の本を読み返して、なんだかもう胸がいっぱいだった。『山のトムさん』もがぜん読み返したくなったが、こちらは本棚になかった。年明け、歌舞伎座の帰りに教文館のナルニア国へ出かけるとしよう。