戸板さんからの贈り物

赤穂浪士討ち入りの日は戸板康二のお誕生日、今年生誕88年、末広がりだ。日頃から戸板康二のことばかり考えている(というか、しか考えていない)身としては、ちょっとばかし特別な一日としたい、と思ってみても、毎年そのまま過ぎ去ってしまう。以前、戸板康二のエッセイで、獅子文六一周忌の12月13日に谷中へ出かけた折に朝倉彫塑館の前を通った、同行の飯沢匡に誘われて見学した、という箇所を見て以来、この季節にぜひとも朝倉彫塑館へ出かけようとずっと思っている。のだが、今年も果たせず。来年は行かれるかな。

foujita2003-12-14というようなことを思いつつ帰宅してみると、注文していた本が届いていた。呉文炳(くれ・ふみあき)という人の『余沫集』(演劇出版社、昭和46年)という本。ここまでツボな本はそうあるものではない、気がする。表紙が鏑木清方の娘道成寺で見返しには坪内逍遥と饗庭篁村の書があしらってある、ということだけでももうたまらない感じ。この本の存在を、先日図書館で戸板康二の書評を見るまで知らなかったのだから、これこそまさしく戸板さんからの贈り物だ。今夜は枕元に置いて寝たいというくらい嬉しい本だった。明日は払い込み用紙持参で外出だ。

購入本

  • 呉文炳『余沫集』(演劇出版社、昭和46年)